神の名を持つ都市マカオ
中国南部を流れる中国三大河川の一つ、珠江の河口付近に位置するマカオ。ラスベガスをはるかに凌駕するカジノ売上を弾き出す世界一のカジノシティーであり、年間約3000万人の観光客が訪れる世界屈指の観光都市として、世界中から熱視線を注がれる進化し続ける都市である。
マカオの名は半島の南端にある道教の廟「媽閣廟」に由来すると言われている。「アマクォック」と発音されるため、これが転訛してマカオとなったという説が有力だ。航海の守護神・媽祖(天后)が祀られているため、ポルトガル語では“Cidade do Nome de Deus de Macau(神の名を持つ都市マカオ)”と呼ばれる。
広州、香港を結んだ珠江デルタ地帯は、中国・華南の経済の中心であり、環渤海地域、長江デルタ地域と並ぶ中国で最も人口が密集しているエリアとしても有名である。世界有数の製造業の集積地としても知られる同地帯には、現在数多くの日本企業も進出しているため、「マカオをはじめとした珠江デルタ地帯は香港の後背地として発展した…」というイメージを持つ人も多いだろう。
しかし、歴史をひも解いていくと香港の発展はマカオという存在なくしては語れない。マカオがあったからこそ香港は輝くことができ、さらには現在の珠江デルタ地帯の繁栄につながっているのである。